66 ＊9/14 ページ31
遥香「…次の日、翔くんと会ったんです」
少しの沈黙のあと、ぽつりとそう言った。
遥香「なんか…様子が変だなって思う時があって」
「え…」
遥香「昨日何かあったのかなって思ったんですけど、聞けなくて」
それ…私のせいじゃない？
私が告白したから…
遥香「もし何か思い当たることがあったら、教えてくれませんか？」
「えっ」
いや…無理でしょ！
ここは、「ごめんなさい、分かりません」って言うのがベストだよね。
遥香さんのためにも…
よし、と横を向いたら。
「っ、…」
不安そうな、でも知りたいっていうような顔をしていて。
言わないことがベストなのか、分からなくなってしまった。
遥香「…思い当たること、ないですかね…」
「っ、えと…」
遥香さんの不安を取り除くためには、ちゃんと話した方がいいのかもしれない。
「あの…傷つけたらごめんなさい」
遥香「え？」
「あの時、私…翔に告白したんです」
遥香「え…」
「昔から好きだったって。すごいびっくりしてたから、たぶんそのせいです…」
遥香「…」
「でも、翔は私のこと幼なじみとしか思ってないので、心配するようなことはないのでほんとに」
最後を強調して言ったけど、下を向いたまま動かない遥香さん。
「、私に心配するなって言われてもって感じですよね、すみません…彼女いる人に告白するなんて最低ですよね…」
やっぱり言わない方がよかったか…
でも、言わなかったらずっと悩むことになるはず。
翔からは絶対言わないだろうし。
もうこうなったら、怒鳴られてもひたすら謝るしかない。
と覚悟を決めてたら。
遥香「…最低じゃ、ないですよ」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 73人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：さくらこ | 作成日時：2016年8月26日 20時
