再会、そして動き出す 2 (ページ27)

今日:7 hit、昨日:0 hit、合計:59,970 hit

62 Haruka side ＊9/12 ページ27

『あー、そろそろ帰ろっかな』

遥香「え、もう帰るの？」

『夕方から用事あるんだろ？あんまり長くいたら悪いし』

もう少しくらいいてもいいのに。

でもなんか言いづらくて。

遥香「…そうだね」

『今日は荷物ちゃんと持って帰んなきゃ』

遥香「うん…」

最後にはいつも楽しくて…

待って、今は？

このままばいばいしたら…私…

『わっ、』

荷物をまとめて立ち上がった翔くんに、思わずぎゅっと抱きついた。

『遥香…？』

遥香「…ごめん」

『え、どした？』

遥香「…っ、ごめん、」

ごめんしか言えなくて、腕にぐっと力を込める。

そしたら、翔くんは私の頭を優しく撫でてくれて。

翔くんの優しくて大きな手や、体温や匂いを感じて泣きそうになる。

『あ…昨日できなかったから？』

遥香「え…？」

『でも今はまだ昼間だしなぁ』

遥香「…えっ、違っ」

『そういうことじゃないの？』

遥香「ち、違うよっ！ばかっ！」

急に恥ずかしくなって、翔くんからバッと離れる。

『今日はごめん、また今度ね』

遥香「っ、だからっ違うって！」

さっきまで泣きそうだったのに何これ！

『ふはっ、冗談だよ笑泣きそうだから笑わせようとしたの』

遥香「っ、全然面白くないから…」

『ごめんごめん笑』

翔くん…

そうじゃん、

翔くんはいつも優しくしてくれて、笑わせようとしてくれてるじゃん。

不安に思うこともあるけど、ちゃんと翔くんのこと信じなきゃ。