58 Haruka side ＊9/10 ページ23
11時過ぎくらいに着く、という翔くんからのLINE。
昨日の夜のことを思い出すと、正直会うのが辛い。
私がお風呂から出たら、翔くんは誰かと電話をしていて。
「え？どういうこと？」とか「なんだよそれ」とか言ってて。
電話を切った後、神妙な顔をして座ってた翔くんはいきなり立ち上がって「ごめん、A探してくる」と言って私の横を通り過ぎて玄関に向かった。
「え、ちょっと！翔くん！」って呼び止めたのに、翔くんは「ごめん、後で話す」とだけ言ってそのまま出て行ってしまった。
Aって…確か翔くんの幼なじみの子。
何かあったのかな。
荷物を忘れるほど急いでたなんて。
翔くんは私の方を全く見てなかった。
きっと、あれからLINEが来るまで、翔くんの頭の中はAって子でいっぱいだったはず。
重大なことがあったんだよね、分かってる。
でもなんで昨日なの？
せっかく翔くんが私のうちに泊まれる日だったのになんでよ。
嫉妬しちゃうのはしょうがないよね…？
遥香「なんて、小ちゃいなぁ私…」
こんなことで嫉妬されたら、翔くんもやだよね。
もうやめよっ。
遥香「翔くん、お昼食べてくかな」
気分を変えようと、お昼ご飯を作ることにした。
『お邪魔します』
遥香「どうぞ〜」
パスタを茹で終わった頃、翔くんが来た。
遥香「今お昼作ってるんだけど食べる？」
『食べる食べる！朝食ってねぇからめっちゃ腹減ってる』
遥香「ほんと？じゃあ急いで作るね」
『ゆっくりでいいよ笑 待ってる』
キッチンにバタバタと入って行ったら、翔くんがははっ、と笑った。
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作者名：さくらこ | 作成日時：2016年8月26日 20時
