再会、そして動き出す 2 (ページ20)

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「翔、」

『ん？』

「あのね、私、…」

怖い。

言わない方がいいんじゃないか、って思う。

でも翔をチラッと見たら、優しい顔で見つめてくれてて。

ちゃんと受け止めてくれそうな気がした。

「私ね、」

『うん』

「翔のことが、好き」

『…、え？』

「…昔からずっと好きで、引っ越しちゃっても好きなままで。
久々に再会したら、なんかカッコよくなってて…やっぱり好きだなって思った」

『…』

「でも彼女いること知って、私の長い片想いももう終わりかって思った。けど…
そう簡単には吹っ切れなくて…彼女とのこと聞いたら辛くて、それでここに来ちゃったの」

目を見開いて固まってる翔。

「…ごめん突然。びっくりしたよね」

『あ、え…ごめん、ちょ、待って…』

頭をガシガシ掻きながら、は？とか、え？とかばっか言ってる。

ほんとに全然気づいてなかったんだね。

「…私の気持ち、ちゃんと伝わった？」

『や、もう、うん、あの…俺全然知らなくて…ごめん』

「だろうなって思ってた…笑」

まじごめん、って申し訳なさそうに言うけど。

その「ごめん」にはどこまでの意味が入ってる？

なんて、聞かなくても分かる。

でも心の中に封じ込めてた想いを口に出したら、少しは心が軽くなった気がした。

翔にちゃんと伝わったなら、それでいいかな…

「…じゃあ、そろそろほんとに帰らなきゃ」

『え、あぁ…』

歩き出したら、翔も後ろからついてきた。

「あ…あのさ、1人で帰ってもいいかな…」

『え？危ないから家まで送るよ』

「…ありがと、でも今は1人にさせて」

はっきりそう言ったら、翔は眉を下げて「…分かった」って答えた。

「ちゃんと帰るから心配しないで？笑」

『…あぁ、気をつけろよ』

「うん、ありがと」

やっぱり心配そうに私を見つめる翔を振り切るように背を向けた。