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「け、警察？」
どういうこと？
『おばさんがAにそろそろ帰ってこいって連絡しようとしたら連絡つかなくて、俺んちに電話したら、とっくに帰ったって言うし、え？ってなったみたいで。
そんで俺んとこに電話来たんだよ。Aの居場所知らないかって』
うそ。
そんなことになってたなんて…
『電話しても繋がんねぇし。いろいろ考えて、事件じゃねぇとしたら、俺が思いつくのはここくらいで』
「っ、」
『そしたら案の定ここにいた』
私、自分のことでいっぱいいっぱいで、頭が回ってなかった。
お母さんにも、おばさんにも、翔にも、知らぬ間に迷惑かけてた。
「っ、ごめんなさいっ、私…」
止まったはずの涙がポロッと零れ落ちた。
『とりあえず見つかってよかったよ』
「っ、お母さんに連絡しなきゃ…」
『今、俺の母さんにLINEしたから、伝わってると思うから安心しろ』
「あ、ありがとう…」
『てか電源切れてんだから、それ使えねぇだろ』
「あ…そ、そっか…」
さっきスマホいじってたのは連絡してくれてたのか…
ダメだな私、大学生にもなって何してんだろ…
『…どした？』
ふわっと耳に届く優しい声。
『俺んち行くほど大事な用でもあった？』
「っ、…」
会いたかった。
ただそれだけ。
でもそんなこと言えない。
『A』
座り込んだまま黙ってたら、翔がしゃがんで顔を覗き込んできて。
泣いてひどい顔を見られたくなくて、顔を背ける。
『なんだよ…俺に話があったんじゃねぇの？』
「…」
『さっきはごめん、家にいなかったから。でも今なら聞いてやるからさ』
「…」
『A、どうしたんだよ』
「もうやめて…」
『え？』
「っ、優しくしないでっ…！」
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作者名：さくらこ | 作成日時：2016年8月26日 20時
