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え？
恐る恐る顔を上げると、暗闇に慣れた目が少し離れたところに人影を捉えた。
？「Aっ！！」
その人影の方からもう一度響く声。
「…しょ、う…？」
顔ははっきり見えなくて。
でも僅かな確信を持って、震える声で、その人の名前を呼ぶと。
『A！？』
私の小さな声が届いたのか、人影がこっちに向かってきた。
徐々に近づいてきて。
あ…
「っ、翔…」
『A！！おまっ、何してんだよっ！！』
「っ、」
私の目の前に現れた翔は、「どこから走ってきたの？」っていうくらい息が切れてて。
膝に手をついて、はぁはぁしている。
「なんで…」
『はぁ、お前、なんで電話繋がんねぇんだよ！』
「え…電話？」
ポケットからスマホを取り出して見てみる。
「あ…電源切れてる…」
『はぁ？ったく！ちゃんと充電しとけよ！』
「…ごめん、なさい…」
『はぁ、もうっ！』
翔、怒ってる…？
なんで？
ていうか、なんでここにいるの？
彼女は…？
「…翔、なんで？」
スマホを出していじってる翔に、それだけ問い掛けた。
『あ？あんなぁ、お前、もう少しで警察に電話するとこだったんだぞ』
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作者名：さくらこ | 作成日時：2016年8月26日 20時
