再会、そして動き出す 2 (ページ14)

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「Aです、夜遅くにすみません」

翔母「あらAちゃん？ちょっと待っててね」

少しして、ガチャッと玄関が開いた。

翔母「どうしたの？」

「、あの…翔、いますか？」

翔母「あぁ、いないわ」

「あ…そうですか…」

翔母「今日は彼女の家に泊まるって言ってたから帰ってこないの」

え。

彼女の、家に、泊まる…？

翔母「ごめんね、わざわざ来てくれたのに」

「っ、いえ、大丈夫です…じゃあ帰りますね…」

翔母「うん、ごめんね、気をつけてね」

「はい…」

翔の家に背を向けて、来た道を戻る。

翔は今、彼女といるんだ。

彼女と…

ブブッ。

「わっ」

スマホの振動に驚いて、慌ててポケットから取り出す。

「っ、」

ーーいや外だわ
ーー用事だったらごめん、また今度にして

遅いよ、返信。

すぐ来てたら、翔の家に行くこともしなかったし、彼女のとこに泊まるってことも聞かなくて済んだのに。

そしたら、「そっか」で済んだのに。

翔に彼女がいることはちゃんと分かってるはずなのに、こうやって現実を突きつけられるとやっぱり辛い。

私、まだ心のどこかで、期待してたみたい。

翔がちょっとは私に揺らいでくれたりしないかな、って。

そんなことあるわけないのに。

幼なじみなんて、普通の女の子よりは仲良いってだけで、彼女に勝てるわけないのに。