再会、そして動き出す 2 (ページ13)

今日:15 hit、昨日:0 hit、合計:59,978 hit

48 ＊9/3 ページ13

二宮くんの突然の告白から数日が経った。

授業で顔を合わすことはあっても、前みたいに話し掛けてくることはなくて。

私がちゃんと答えが出るまでずっとこのままなのかと思ったら、胸がズキッとした。

答えなんて出ないよ…

二宮くんに恋愛感情を持ったことはないけど、大事な友達だし…

どんな返事をするのが正解なの…

大学でも家でもひたすら考えてるけど分からなくて。

分からなくなればなるほど、頭に浮かんでくるのは翔の顔。

昔、辛い時にはいつも翔が「どした？」って優しい声で聞いてくれて。

大して解決もしないのに、翔に話すだけで落ち着けた。

翔と離れてた6年間、「こんな時に翔がいたら…」って思ったことが何度もあった。

でも今は翔がいる。

「翔に会いたい…」

今回のことは翔に話せるようなことじゃないけど、でも会いたい。

今は夜の8時半過ぎ。

翔、家にいるかな。

今から行くのは迷惑かな…

「…一応、LINEしてみよ、」

少し悩んだ挙句、そう決心した。

ーー翔、今家？

送ってから10分経過。

既読すらつかない。

家にいないのかな、それともただ気づいてないだけ？

短気なわけじゃないのに、待ってるこの時間が嫌で。

スマホだけ持って、自分の部屋を出た。

「お母さん、翔のうち行ってくるね」

母「今から？もう外暗いわよ」

「大丈夫だよ、近いし」

母「気をつけて行ってらっしゃいね」

「はーい」

翔の家まで5分くらい。

チャイムを鳴らしたら、翔のお母さんが「はい」と返事をした。