再会、そして動き出す 2 (ページ2)

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37 Haruka side ページ2

よくよく考えてみれば、
翔くんの幼なじみの子についてほとんど何も知らないことに気づいた。

翔くん自身、こっちに引っ越す前は連絡をとってなかったみたいだから、
高校の時は幼なじみの存在すら知らなかった。

今知ってるのは、福岡に来る前までずっと一緒だったってことと、

こっちに戻ってきて、たまたま大学が同じだったってことくらい。

名前も聞かなかったし、男の子だって思い込んでたから、そんなに気にしてなかった。

けど、そっか、女の子か…

ちょっとの思い違いなのに、こんなに引っかかるのはたぶん、

私と同じくらい、もしくは私以上に翔くんと仲の良い女の子がいるっていうことが分かったから。

幼なじみなら、もしかしたら、私よりも翔くんのことをよく知ってるかもしれない。

…どんな子なんだろう。

遥香「ね、その子どんな子？」

『え、なに、気になんの？』

遥香「っ、気になるっていうか…そういえば聞いたことないなーって思って」

『うーん、まぁ、普通だよ』

普通って。

もうちょっと何かあるでしょ…

遥香「じゃあ、写真とかはないの？」

『写真？いや、ねぇな』

遥香「旅行で撮ったりしなかったの？」

『いや…あ、そういや、撮ったやつ送られてきてたな』

遥香「見たい！」

ちょっと待って、と言ってスマホを操作する翔くん。

『あった、これ』

私の方に向けてくれたスマホを覗き込むと。

そこには、ピースをする翔くんと、1人の女の子が写っていて。

可愛い。

それが第一印象だった。

遥香「…これどこ？」

『スワンボート。乗ってる最中に急に写真撮ろうって言い出してさ笑』

遥香「へぇ～」

幼なじみなんだから仲良いのは当たり前なんだろうけど、

写真の中の二人は本当に仲良さげで。

まるで翔くんの浮気写真を見ているかのような錯覚に陥って、そんな自分に焦った。