36 Haruka side ＊8/26 ページ1
遥香「ね、そういえば、旅行どうだった？楽しかった？」
ゴールデンウイーク最後の日。
大学生になってから、なかなかゆっくり会えてなかった翔くんとの久しぶりのデート。
昼過ぎに待ち合わせして、映画を観て、ちょっと買い物をして。
そろそろ夜ご飯でも食べるか、ってなって、良さげなお店を見つけて。
料理が運ばれてくるのを待つ間、ふと思い出して翔くんに尋ねた。
『ん？あー楽しかったよ』
遥香「箱根でしょ？何したの？」
『サンドブラストって知ってる？』
遥香「うん、知ってる、私やったことある」
『へぇ。俺、知らなかったんだけど、それ初めてやった』
遥香「ふ〜ん」
『あとは、スワンボート乗って、箱根神社行って、…あ！！』
遥香「ん？」
いきなり叫んで、カバンを漁りだした翔くん。
『あったあった！』
遥香「なに？」
『はい、お土産』
そう言って、目の前に差し出された小さな小袋。
遥香「え、私に？」
『ん』
遥香「ありがとうっ」
『持ってきたのに、忘れるとこだった笑』
遥香「ふふ笑」
袋を開けてみると、中には可愛らしい髪飾りが入っていた。
遥香「すごい可愛い」
『まじ？よかったー』
遥香「翔くんにしてはセンスいいんじゃない？笑」
『なんだよそれ笑 でもまぁ正直に言うと、Aに少しばかり助言してもらいました』
遥香「A…？」
『うん、あ、幼なじみね』
遥香「あぁ…」
翔くんに幼なじみがいるのは知ってたし、
旅行も幼なじみの家族と行くってことも聞いてた。
遥香「…幼なじみって、女の子？男の子？」
そういえば知らないと思って何気なく聞いてみたら。
『え、女の子だけど…言ってなかったっけ？』
遥香「…うん、初めて聞いたかも」
幼なじみって女の子だったんだ。
私、勝手に男の子だって思い込んでた。
胸の奥が少しチクっとしたのを感じた。
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作者名：さくらこ | 作成日時：2016年8月26日 20時
