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目を覚ませば、外は陽が沈みかけて夜を迎える準備をするように伸びた太陽が部屋に入り込む時間になっていた。
「…んぅ、しょ…お。」
まだ夢の中にいる廉はどうやら俺の夢を見ているらしい。
俺に抱きつくその腕に少し力が入って身動きが出来ない。
目の前にいる廉の、少し汗ばむ前髪を梳きながらその綺麗な寝顔を眺める。
何よりも幸せな時間、俺だけの特権。
「あ…起こしちゃった？」
「…ん、しょお。」
寝起きの廉は甘えん坊。
普段は身長差のせいで見れないけど、横になってるからこそ堪能できる廉の上目遣い。
そんな顔で、その声で、
「好きよ、ふふ」
なんて言われたらもう俺は、その瞳から目が離せないし、お前をもう2度と手放せない。
廉がくれた“好き”に答えるようにして、ふわふわな髪の毛を優しくぽんぽんとしてから額に口付けをした。
「そろそろお腹空いたし、起きよっか。」
「…。」
「れん？」
「紫耀、は…？」
「なに…が？」
「…しょおは、俺のこと…好き？」
伝わってる、そう思っててもやっぱり言葉にしなきゃだめなことだってある。
何度だって伝えるよ。
「愛してるよ」
照れているのを隠すように目線を外して目を伏せるから、思わずその長い睫毛に、その瞳に、その瞼に、好きが溢れてキスをした。
・
ベッドから出てキッチンで夜ご飯の準備をする。
廉はベッドを軽く整えて、ソファで寛いでいた。
「しょーおー」
「んー？」
「なんでもなーい」
「しょーおー」
「なぁにー」
「んふふ、好きやで」
「しょおー…」
呼んだかと思えばとぼとぼと、歩いてこちらにやってくる。
擦り寄るようにして俺の背中に抱きついて、肩に顔を埋める。
「寂しくなっちゃった？もう少しでできるよ。」
「…ん、
紫耀ー…あっつい！」
「や、まって！？廉がくっついてきてるんだからね！？」
「じゃあ…離れる。」
「え、だめだめ。腕ちゃんとお腹に回しといて？！
がっちりホールドしといて、！」
「やってー、紫耀の胸板厚すぎて…暑いし、つかれるねんけど、」
「だーめ、寂しがりの廉くんは紫耀くんにくっついていたいでしょ？」
「ふはっ、…うん。紫耀と少しも離れたくない。」
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作者名：viawebdin | 作成日時：2023年7月26日 8時
