月と太陽-1(しょうれん) ページ1
Aさん
数あるお話の中からお選び頂きありがとうございます。では、
・
カーテンから差し込む心地よい光に目を霞めると、
こちらをじっと見つめる視線を感じて眩しさを感じながら目をやると優しい顔が目の前にいた。
「れーん、おはよ」
「…ん、はよ」
顔にかかる髪の毛を優しく掻き分けながら、髪を梳いて愛しそうに目を細める。
「今日も廉が1番かわいい、はーー好き」
優しく唇が触れた。よし起きるかぁなんてベッドを出ようとする紫耀の服の裾を引っ張って少し音が鳴るくらいの軽いキスをお返しにすれば、
「なっ…、ちょっとずるいよれんー
ベッドから出たくなくなっちゃうって」
なんて言いながら軽く頬を染めて照れ隠しする紫耀を置いてくようにして、俺が先にリビングへ向かった。
後ろから置いてくなよーって小言を言ってる紫耀の声がして、
してやったり、なんて少し笑みが溢れた。
雨が続いて溜まった洗濯を、久しぶりによく晴れた今日に全て片付けてしまおうと洗濯機を回そうと洗面所にいると聞こえてくる声。
「れんーどこいるのー」
リビングから俺を探す声がする。
それは、甘すぎるくらいに優しくて俺が好きで仕方ないって声。でも、答えてやんない。
だって、
「れーん、なんで答えてくんないの
答えてくれないからここまで来ちゃった」
そう言って洗濯機を操作する俺の後ろから腕を回して抱きしめて、肩に頭を埋めてくる。
ほらね、だから俺は紫耀の呼びかけに答えない。
だって、答えなければ紫耀は俺を探してこっちまで来てくれるから。
同じ家にいるのに、少し離れただけで俺を探しはじめる紫耀が愛おしい。
お昼を食べ終えて、ソファでまったり過ごす時間。
俺は料理は真っ平ごめんやから、紫耀がお昼をつくってくれる。だから、お皿を洗うのは俺の仕事。
めんどくさくなる前にお皿を洗っとこう、そう思ってソファを立つ。
「れん？どこ行くの？トイレ？」
「嫌になる前にお皿洗っとこー思って」
「それなら俺も行く」
「紫耀は座っててええよ。やって、、
動きにくなるやん…」
「だって廉と離れるとかもったいない！1秒でも長くくっついてたい」
こんな風に素直に気持ちをぶつけられたら断ることも出来ず、
「それは…俺もやけど…」
なんて結局、俺だって紫耀とくっついていたいから、
少しばかり洗いにくくてもひっつき虫のように背中にぴとっとくっついてる紫耀が愛おしかったりする。
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作者名：viawebdin | 作成日時：2023年7月26日 8時
