#2 一等星のカノジョ【ars K.N】 (ページ8)

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34.ラッキー - A - ページ8

「相葉さん、お待たせしました！」

駆け足で向かってくる彼女に、やっぱりこれは恋なんだと再確認。

この間の旅行で折れかけた心が一瞬で復活してしまった。

ニノに譲る気なんてさらさら無い。

彼女の気持ちがニノに向いてるなら、こっちに振り向かせばいい

今日のデートで。

・

「あー…、、残念でしたね、相葉さん…」
「マジかよー…」

さっきの意気込みを裏切るが如く、水族館のゲートは固く閉ざされていた。

俺とAちゃんの間をすり抜ける虚しい風。

「臨時休業、ですって…」
「あーーごめん、俺の確認不足」
「そんな！仕方ないよこれは」

優しく微笑みかけてくれる彼女に俺の心は救われる

しかし、このままフラフラするわけにはいかない。
何か考えないと…

「あ、そうだ。ここから５分くらい歩いた所にカフェがあるんだけど…どう？」
「行きたい！ちょうど喉も渇いてたし」
「そこ目の前が海でさ、眺めが超いいの！楽しみにしてて？」
「ふふ…やっぱり相葉さん、すごいなぁ」
「すごい？」
「マイナスをプラスに変える力があるというか……前向きな人って、素敵です」

これは………
水族館が閉館していてラッキーだったのか？

微量だろうが俺の好感度は今確実に上がった。

「カフェのあとさ、砂浜でも散歩しよっか」

今日は…いつも以上に頑張れるかもしれない。