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17.ネオン街 ページ17
手を繋がれている感覚がハッキリしたのは、赤信号の灯りが目に入った時だった。
「……えっ？」
周辺の静けさを感じ取っていた私は、小さな声を上げた。今は一体……何時？
それにどうしてカズが……
しかも手まで繋がれている……
「酔い覚めた？」
「あ…うん、少し」
「全然タクシー通らなくてさ〜。どうしよ」
"やっぱ乗せときゃ良かったかなぁ"…なんて
ぼそぼそと呟く。
二軒目で飲み過ぎたのか、直近の記憶が無い。
みんなはどこに行ったんだろう…
「ねぇ、酔ったら記憶なくすタイプ？」
「や、そんなはずは…ただ飲み過ぎたというか」
一軒目の気分を消したくて、
二軒目でヤケ酒をしてしまっただけだ
それにしてもこんなに酔っ払ってしまうなんて…
「あの、カズは一体いつから…？」
「ついさっき。偶然お前ら見つけて…相葉さん達はタクシーで帰ったよ。で、俺たちもタクシーで帰りたい訳なんだけど…」
「通る気配ないね…」
「そ。だからどうしよっかなぁって」
カズはゆらゆらと繋いだ手を揺らした。
これじゃまるで……付き合っているみたいだ
「と、とりあえず手はもう離しても大丈夫！」
「まだ足元ふらついてるからダメ」
「え……」
「あ、いいトコ見つけた」
「ちょっと？カズ！？」
ぐいっと手を引っ張られて向かうのは
キラキラと輝くネオン街。
ピンクや紫色の看板がやたらと目立つ。
「ねぇ！ちょっと待ってって！」
そして彼は
正しくその方向へと突き進んでいる。
タクシーが捕まらないからってさすがにこれはっ…
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作者名：ミト
| 作成日時：2019年10月26日 19時
