すとーんずは殺し屋

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樹side

そう、俺が殺し役に立候補したのはターゲットに未練があるから。

俺は、元警察。

だから、尾行や潜入捜査はお得意ってわけ。

まぁ1番得意なのは拳銃の扱いだったけど。

今はそれを活かしてスナイパーやってる。

俺は警察学校の成績を1位で卒業するほど優秀だった。

だが、それを良く思わない同期も沢山いた。

どんどん孤立していった。

でも警察になることは諦めなかった。

警察になりたい思いは誰よりも強かったからね。

俺が警察を目指し始めたのは高校生のとき。

高校生のときに、付き合っていた彼女がいたんだ。

でもその彼女が突然、遺体となって発見された。

その遺体は両手が切断された状態だった。

他にも何件か似たような事件が起こっていたらしく、その事件とは同一犯で間違いないそうだ。

あまりにもショックだったよ。

彼女が戻ってくることはないけど、せめて早く犯人を逮捕して、両手も見つけてあげたかった。

でも、なかなか犯人が逮捕されないの。

だから俺が犯人を見つけて殺してやるって思った。

そのために警察を目指した。

でも警察学校に入って気づいた。

そりゃ犯人は捕まらないってね。

だって俺が成績を上げれば上げるほど、同期は俺のことを避けるんだ。

こんなやつが沢山いる警察は警察とは言えないもんね。

俺のことも警察とは言えないけど。

なぜなら、あの犯人を殺すために警察目指してんだもん。

だから拳銃の扱いが上手い。

あの犯人を殺す術を身につけないといけないから、撃つ練習は死ぬほどやってきた。

それから刑事になったんだけど、すぐに辞めたくなった。

その理由は、犯罪者を尊敬するようになったから。

取り調べをする中で捕まったほとんどの犯罪者は、みんなこう言うんだ。

復讐するために殺したって。

俺は警察の先輩よりも、復讐に成功した犯罪者を尊敬したよ。

俺も犯罪者を見習わないとね。

そうは言うものの、なかなか裏の世界に行ける勇気もなく、警察と殺し屋の両方をやっていた期間もあった。

今はもう、警察はやめたけど。

それで、今回の依頼主は同期の内の1人。

そこまで根に持ってるわけじゃないけど、ちょうどいいから復讐しとこうって思って。

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