〆切

007 ページ7

〆．




「なんで廉と考えてること同じやねん」



「俺かて嫌やわ」



まさか廉に誘われるとは。私のこと、嫌いなんやと思ってた。



「でも、しばらく時間取れないんだよね」



「いつ行けそう？」



「ん―‥一ヶ月後の日曜日、かな」



「だいぶ先やな」



「しょうがないじゃん、バイトあるしテスト前だし」



「おっけ。じゃ、楽しみにしてるわ」



上機嫌で友達のもとに行った廉。わけわかんない。奢れって言うたのに、嬉しそう。



「その日、廉さん死ぬけど」



「あ」



大ちゅんに言われて気付いた。廉が交通事故で亡くなる日。つまり、私と遊びに行くから死ぬの？



「やっぱり、断ってくる」



「無駄やで！」



大ちゅんが、私の腕を引っ張る。端から見たら、私変な人だろうな。



「‥‥‥なに」



「どっちにしろ、廉さんは死んでまう。‥‥Aちゃんが代わりにならん限り、な」



「だからそれは―‥っ」



"絶対に嫌"



その言葉が、出てこなかった。




〆．

008→←006

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す