〆切

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〆．




‥‥楽しい時間って、あっという間に過ぎると思う。



「もう夕方やで」



「ほんま、ユニバ楽しすぎ」



お互い顔見合わせて、笑いあう。



「帰ろか」



時計を見て、廉は名残惜しそうに呟く。私も、小さく頷いた。



「門限、厳しいねん」



ため息混じりに呟いた廉は、私の手を握って歩き出す。



―16時58分。



自宅の最寄り駅について、繋がれた手がするりと抜ける。



お別れの合図。



「じゃ、また、ね」



また、なんてないのに。どうしても、そう言ってしまう。



「Aっ、」



「ん？」



「‥‥‥‥‥好き、や」



「え？」



「お前のこと。‥‥めっちゃ、好き‥‥‥。俺と、付き合ってください！！」



―嘘じゃない。こんな真剣な瞳を、初めて見た。



「‥‥‥‥‥っ」



込み上げてくる感情。抑えきれない。



「返事、今度でええから！」



信号が赤くなった横断歩道へと駆け出した廉。



「待っ‥‥‥！」



自動車が、廉に迫った。




〆．

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