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丁度お通夜が終わり沢山の人が出てきた。
男も女も、全員泣いていた。
…万次郎も受け入れられないのだろう。
だからお通夜にも出ずにあの場所にいた。
当然だ。受け入れる方が無理だ。
「爺ちゃん、ただいま。
……アンタも入れよ」
できるだけ目立たないようにって理由だけで
黒い服を着てきたけれど
お通夜だからなんて、考えていなかった。
家に上がる時に自分のハイヒールを見て
これしか無かったとはいえ恥ずかしくなった。
『…お邪魔……します』
焼香の匂いが残るその静けさの中で
万次郎について行くと、広い和室に通された。
お爺さんがいた。隣に女の子も。
そして…真一郎も、そこに眠っていた。
「…爺ちゃん。この人連れて来た」
お爺さんは私を見ると
「…大きくなったなぁ、お前も真一郎も」
いつに無く弱々しく声をかけた。
『この度は心より…お悔やみ申し上げます』
自分の声も、震えていた。
我慢しようと思っていても無理だった。
涙が止めどなく溢れてきた。
「爺ちゃん…この人誰……？」
そう聞く女の子にお爺さんが答える前に
「A。シンイチローが時々喋ってたろ」
万次郎が答えた。
『真一郎が…私の事を話してたの？』
「色んな女のケツばっか追いかけてたくせにさ
アンタにベタ惚れだったよ、アイツ。
それ隠せてねぇからモテてなかったし。
シンイチローの大切な人なんだって思ってた」
【気持ち悪いのよ、アンタ】
あの日真一郎に突き刺した言葉が
そのまま自分に返ってくる。
本当に…何してんの、私。
今更もう何もかも遅くなってから
何で後悔し始めるの？
痛い。苦しい。
だけどそれでも
『…朝まで、私もここに居て良いですか？』
この夜だけは、向き合わせて欲しい。
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きなこだいふく - すごく感動しました。どこか私の大好きな曲を連想させる文章に、思わず号泣してしまいました。夢主と真一郎の不器用な恋愛、いつまでも見ていたかったです。こんな神作をありがとうございました。 (2021年11月6日 20時) (
レス) @page8 id: 283f4f1f4f (このIDを非表示/違反報告)
神楽 - ガチ泣きした。真一郎が夢に出てきて両思いになるオチとか、主人公も殺されてあの世で出会って好きって伝えられるオチとかだったら良かったのにと思ったけど、もしそうだと、こんなに泣ける話は作れなかったのかなと思いました。話を作ってくれてありがとうございました (2021年8月3日 11時) (レス) id: 53c74e92e7 (このIDを非表示/違反報告)
にるき - 泣いた、、、こういうの大好き真一郎かっこよすぎるだろ (2021年8月3日 1時) (レス) id: fa07dff7e6 (このIDを非表示/違反報告)
▼とある黒兎(プロフ) - とても感動して、涙が止まりませんでした。夢主と真一郎の想いや最後の夢主の『………大好き。世界で1番、大好きな人だよ』が凄く凄く素敵でした。この作品と出逢えて良かったです。 (2021年8月2日 2時) (レス) id: cd791d8f9a (このIDを非表示/違反報告)
律架 - 短い話なのに涙ボロボロです。書いてくれてありがとうございます (2021年8月1日 21時) (レス) id: 60eb5664e4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mona
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=academia1st
作成日時：2021年8月1日 5時
