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「はやふいほ!」
「……トースト加えんのは漫画の中だけにしろよな、」
「うるしゃい!」
とりあえず寝癖を直し、歯を磨き
母さんの華麗なロングパスを経て 手元に届いた焼きてたのトーストを口に咥える。
玄関の壁に凭れていた瑞稀は呆れたようにため息をついてから
華奢な手首に纏った腕時計に視線をやってギリギリセーフ、と小声でつぶやいた。
「お前の部屋の時計を10分早めた甲斐があったわ」
「は!?何勝手にしてくれてんの!?」
「いちいちうるせえんだよ、ほら早く行くぞ」
瑞稀くん毎朝ありがとねー!なんて
慌ただしい母さんの叫び声に いいえ!なんて爽快に答えた彼。
母さんの扱い方をよく知っているなあ、と感心してしまう。
ズカズカと足早に歩く瑞稀の背中を追いかけて
少し汚れたローファーに足先を通せば
後ろ手でガチりと回したドアノブは冷たかった。
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作者名:スイ | 作成日時:2018年12月16日 13時