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「え?」
「なんとも思わないとは言ったけど」
ジリジリと近づく距離
意地悪に口角を持ち上げた瑞稀が笑う
緩くなった襟口をさらに広げて
「全裸になるんでしょ、」なんて小声呟いて。
「何もしないとは、言ってねーよ」
「っ、ちょ、ばか」
瑞稀の骨ばった温かい指先が 顎下の柔らかいところを弾ませて
びくっとわかりやすく肩を震わせた私は
何も言えずにぎゅうと目を瞑るだけ。
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「…………くくっ」
「……」
「…………なんてねー、お前に手なんか出すわけねーじゃん」
赤面する私を見て 腹を抱えて笑う瑞稀。
あぁ馬鹿だった
一瞬でも意識した自分が、馬鹿だった。
「もう瑞稀イヤ!嫌い!」
「ハイハイ嫌いで結構」
「なんで意地悪ばっかするの、」
けたけたと愉快げに笑いながら
私の横を通り過ぎる彼を睨みつける。
一瞬目を丸くして キョトンとしたような表情になって
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「可愛いからだよ、反応が」
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私がじゃないんかい
言葉になれずに喉元に沈んだ一言
瑞稀から出た可愛いは思ったよりもくすぐったい。
「うるさい!もう早く降りてよ!ヘンタイ!」
「ちょっおいコラ叫ぶな!」
「ばーーーか!」
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不機嫌そうに目を細めた瑞稀を無理やり押し出して
残りの着替えに手をかける。
耳に集中した熱には気が付かないふりをした。
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作者名:スイ | 作成日時:2018年12月16日 13時