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体育館を覗くと既にパス練習をしていた。


田中を呼んでもいいのか迷ってると、

練習相手をしていた灰色の髪の先輩が

私に気づいた。



「あ、バド部の子だ。どした?」


「あ、の。練習中にすみません!

田中にノート届けに来ました」


先輩はおうおう田中行ってこいって言うと

一人で壁当てを始めた。

止めて大丈夫だったのか不安になった。



田中がこちらに走ってきた。

サッと渡して部活に行こうとした。


「瓜生!わざわざありがとうな、HR終わったら

すぐ教室出ちまったわ」


「ううん、私こそ練習止めちゃってごめんなさい。

はい、ノート。先輩にもお詫びしてて?」


ノート渡して謝って、すぐ部活に行こうとした。


「それ水谷のか、

あいつサッカー部だからグラウンドだろ

バド部今日外練習だろ?すぐ渡せるな」


「あー、それが。私たぶん嫌われてて…

さっき会ったんだけど逃げられちゃった」


あはーって苦笑いすると田中はため息をついた。


「あ、ごめん…引き止めちゃって。行くね」


「そうじゃねえって。瓜生お前さ何で勝手に相手が

めんどくさがってる嫌ってる、って決めつけんだ」


「えっ」


答えない私を見かねて田中は困ったように少し微笑んだ


「瓜生のそういう人のこと気にかけるの良いと思うけど

勝手にマイナスに解釈して自分傷つけてどうすんだよ」






「水谷がどう思ってるか聞いたか?

逃げられた時追っかけてでも聞いてみ。

それができねぇんだったらもう気にすんなよ」


「…うん」


「俺は瓜生に引き止められたわけじゃねえぞ

あとノート届けてくれただけで、邪魔しに来たんでもねぇしな」


な?って田中は頭をぽんぽん撫でてくれた。


「田中ぁ…ありがと…」


俯いてた顔を上げて田中にお礼を言った。

田中はにっこり笑っておう!って返してくれた。


じゃあがんばれよって言って体育館に戻ってった。




この時私は田中を好きになった。





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戌春(プロフ) - よるさん» コメントありがとうございます。ご存知のとおり、作成時と同年同月に完結しておりました。先日、少し編集画面を開いてしまい更新したことになってしまいました。すみません (2021年5月21日 8時) (レス) id: caf129c7a1 (このIDを非表示/違反報告)
よる - 更新の通知が来たんですけど完結はもっと前にしてましたよね…? (2021年5月20日 14時) (レス) id: 9c99ed5e93 (このIDを非表示/違反報告)
戌春(プロフ) - 蜂蜜色さん» 数年前の作品にもかかわらず、目を通していただき更には評価までしてくださり、ありがとうございます。つい先日、このアカウントを思い出し数年ぶりにログインしたので、思わぬタイミングでとても温かいコメントをいただけて嬉しく思います (2021年5月20日 9時) (レス) id: caf129c7a1 (このIDを非表示/違反報告)
蜂蜜色(プロフ) - 99票から100票にした時の達成感、、!好きです! (2021年5月19日 23時) (レス) id: 7ce87d3605 (このIDを非表示/違反報告)
Blue Empress (青空透虹)(プロフ) - 戌春さん» 次回作も期待して待ってます (2017年5月21日 1時) (レス) id: fcbcc1faa5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:戌春 | 作成日時:2017年5月7日 3時

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