One more time. (ページ3)

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とてつもなく長い一日だった。
初出社を終えた今、こうして自宅でくつろぐこの瞬間をどれだけ待ちわびていたことか。

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同じ部署の社員に軽く挨拶を済ませた後、持ち込んだ私物を片付ける間もなく、社屋を案内するから付いてこい、と言われた。
大手企業なだけあって地上十階、地下二階と立派なビル。建物内には専属のメイクアップアーティストから直接施術をしてもらえるスタジオや、まさかの直営レストランまで入っていて想像を遥かに超えていた。
簡単な説明を交えながら淡々と案内してもらい、午前中は全ての時間をそれに費やした。

そして、昼休憩。
先程までとは打って変わって無言になった彼の威圧感に、当然のことながら箸は進まない。
広い食堂で、周りの人たちは会話を弾ませて楽しげに食事をする中、まるでお通夜の会場かのような重苦しさに耐えられるわけがなかった。

｢あの… 先輩、お元気でしたか……｣

尻すぼみに小さくなる声。
彼の顔を見れるはずもなく、泳いだ視線は結局、目の前のなかなか減らない日替わり定食を捉える。

｢あぁ｣

事務的な、感情なんて一切入っていないような短い返事を聞いて、会話を切り出したことを後悔した。

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