嘘は吐けない。 ページ26
*
*
数分してからAが顔を真っ赤にして戻って来た。
「?……どうかしたのか」
「あ、いえ……何もないですよ?」
嘘だな。何かあるんだろうとAをすぐそばまで来させる。
「何があった。」
「えっと…?その……そういう訳ですよ。」
説明をしようとしないAにイライラする。不機嫌な声を出して、意地でも聞き出してやろうとする。
「だから、つまり……ね?」
ね?じゃない。オレはAの腕を強く掴み、睨んだ。
「わからん。」
「判んなくて良いんですよ!!ってか痛いです!!」
顔を真っ赤にしたAは、全力でそう叫んだ。誰がコイツをこんな表情にさせたのか、そんな小さな事にイラだってAの後頭部を俺の方に寄せる。。
「ダメだ。」
「はい!?」
「お前はオレのだろ。言われた通りに話せ。」
ヒュッと息を呑んだAは、顔を真っ青にして生意気にも抗議してきた。
「ドS鬼畜市長!!そんなの契約に無かった!」
「今作った。」
「後出し禁止!!」
「オレの命令は絶対だぞ。」
「絶対王政反対!!」
生意気すぎるだろう。そろそろいい加減にしろ、と彼女の唇をふさいだ。出来るだけ長く。
鼻から息をすれば良いモノを…彼女はそれをしらないのか、ただ必死だった。
逃げないようにと後頭部を掴んで、息をしようと口を開けた時に舌を滑り込ませた。
戸惑い逃げる彼女の舌を絡めとって、小動物のように震える彼女は本当にそそった。
もうこれで観念しただろうか、と彼女の口から離れる。赤く染まった頬に涙が溜まった瞳は天使と形容してもいいだろう。帰って来た時のよりも赤く染まった頬に一人満足した。
「何するんですか!!」
「お前が言わないのが悪い。」
「理不尽の極みですよ!」
「お前、キス下手だな。」
「アンタが慣れ過ぎてんでしょ!!」
ギャーギャーと叫ぶ彼女に「もう一度してやるから学ぶと良い。」とニヤリと笑ってまたキスしようとすると観念したように自白した。
「ボマーさんです!!ボマーさんなので!!私は悪くない!」
「ホォー?」
ボマーか。後で殺そう。
「それで、何をされたんだ。」
「……キス、ですけど。」
「もう一回しとくか。」
「もうさっきので充分ですよ!」
「オレが満足してないんだ。」
この日から目があっただけですぐに顔を真っ赤にするAを見れる事になったので、結果的にボマーには感謝すべきなのかもしれない。
98人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
海野水(プロフ) - 桜さん» ありがとうございます!更新スピードがだいぶと遅いと思いますが、楽しい話に出来るように頑張ります! (2019年12月14日 14時) (レス) id: 580090c27d (このIDを非表示/違反報告)
海野水(プロフ) - 銀髪ピアス☆エクスタにゃんこさん» 返信および更新が遅くなってしまってすいませんでした!読み返して下さっている事、本当に嬉しいです!いつも読んでくださって有難う御座います!最近ネタが難産なのですがゆっくりになると思いますが頑張ります! (2019年12月14日 14時) (レス) id: 580090c27d (このIDを非表示/違反報告)
桜 - 続きが楽しみです!頑張ってください! (2019年9月25日 15時) (レス) id: 193d98d6bf (このIDを非表示/違反報告)
銀髪ピアス☆エクスタにゃんこ(プロフ) - いつも読まさせて頂いてます!純粋にとても面白い作品で何度も読み直してしまうほど好きになった作品です☆ 続きも楽しみにしております! (2019年7月18日 10時) (レス) id: e3cd7b0c38 (このIDを非表示/違反報告)
海野水(プロフ) - 帝華さん» ありがとう御座います!更新はゆっくりですが、これからもよろしくお願いします! (2018年3月26日 17時) (レス) id: 580090c27d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:海野水 | 作成日時:2017年12月1日 15時