とりあえず、三日。 ページ20
「私、市長官邸で働くことになったんです。」
私の一言でノエルお嬢様は固まった。
表情からするに頭が真っ白になったという例えが適当だろう。
ノエルお嬢様の心の中は時が止まったみたいに言葉が流れている。
私の言葉がループしてるようだ。
「な、んで……ですの？」
「あちらから誘っていただきました。」
「……わ、わたくしが嫌いになったんですの？」
「それは断じて無いですね。むしろ、生きてきた中で一番面白い人物がノエルお嬢様です。」
「…………辞めるんですの？わたくしに仕える事を……。」
「そこは……判らないです。確実に言えるのはお嬢様と過ごす時間が少なくなるという事です。」
「……そうですの。」
あからさまに悲しんでる。
何か罪悪感が半端ない。
まぁ自分が蒔いた種なんですけど……。
けど……。
「お、お嬢様！と、取り敢えずは三日あります！」
「三日……？そんなに短いんですの？」
「あ……そうですね。」
「……取り敢えず、帰りませんこと？整理がつきませんわ。」
ぺしっと頭を叩かれるとノエルお嬢様が歩き出す。
自分はそれに着いて行く。
自分は彼女の隣でいつものように話をする。
「あ、そうだ。何かドーナツ屋さんが出来たみたいですよ？行ってみません？」
「!?……あ、あなたって人は本当にこんな時まで呑気ですのね！晩ご飯が食べられなくなりますわよ！」
「あ……よし、お嬢様！明日行こう、私めっちゃ行きたいです！」
と目を輝かせてそう迫るとお嬢様は一つ溜息を吐いて
「もうっ……わかりましたわ！」
そう言ってくれた。
さっさと歩く彼女の背中を見ながら少し思う。
身勝手な奴でごめん、お嬢様。
でも、それでも良いと付き合ってくれるあなたにはこれ程ないまでに感謝してるよ。
「何をしてますの！早く帰りますわよ！」
「ほーい！」
あと三日。
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ザックの嫁 - 海野水さん» そうかアッチの漫画か (2020年4月20日 16時) (
レス) id: 623f3ee5b5 (このIDを非表示/違反報告)
海野水(プロフ) - なんさん» そう言っていただけると嬉しいです！更新頑張ります！ (2017年11月21日 15時) (レス) id: 580090c27d (このIDを非表示/違反報告)
なん - めっっっちゃ面白くて好きです！更新頑張って下さい！！ (2017年11月20日 23時) (レス) id: 3c106edcc9 (このIDを非表示/違反報告)
海野水(プロフ) - レミリさん» えっと、髪は肩あたりですよ！ (2017年11月10日 15時) (レス) id: 580090c27d (このIDを非表示/違反報告)
レミリ - 海野水さん» あの、主人公ちゃんの設定ってあるのでしょうか？プロローグからすると黒目黒髪と言うことは解るのですが… (2017年11月9日 21時) (レス) id: dac35e96f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：海野水 | 作成日時：2017年9月15日 13時
