プリムラ 3 (ページ37)

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翌日のこと k.t ページ37

今野大輝

克樹めちゃくちゃお酒飲んでたけど大丈夫か
な。

「家までついて行こうか……？」
「だいじょうぶ、ひとりで帰れる……」

昨日何度聞いてもひとりで帰るって言うから駅の前で別れたけど不安。
なんか前に矢花と話してたけど、克樹ってしっかりしてるけどいきなり迷ったりして消えそうだし。

俺はやっぱり恋をするより相談役に回る方がいいのかなと思った。
矢花が諦めるのも克樹が誰を選ぶのも、大光が守るのも全部自由だし俺はその選択を出来たら全部肯定？してあげたい。

普段自分が悩むことは無いけど、きっと話してくれるのは間違えを正して考えを肯定して欲しいってことだと思うし。

全員が幸せになることは不可能だと思うけど。

夜の道はこわい。こわいけど、小さい頃からひとりでこうやって散歩するのは好きだった。
頭がリセットする感じが気持ちいいんだよね。今度矢花も誘ってあげようかな。

家に着いたけどもう少し歩こう。

あれから夜遅くまで矢花の話に付き合っていた。
克樹と別れたのは11時くらいで、家に着いたのは12時。電話は2時まで。集合時間は6時。
あのね、かなり眠い。

重たい瞼を必死に開けながら集合場所に行くと、大光と克樹が一緒に歩いていた。
あの二人やっぱり仲良いんだな……

てか克樹もかなり元気。昨日のあの疲れ一回寝ただけで取れんだ……克樹かっけー

とか思ってたら、克樹は大光の隣で俺に向かってブンブンと手を振ってる。

「こんぴー！おはよー！」

大光の腕をぐいっと引っ張りながら、俺の方に向かってくる。なんか今のすごいカップルっぽい。

「克樹なんか元気だね」
「へへーあのね、大光が朝ごはんに作ってくれたオムライスが凄く美味しかったんだ〜」
「あれ、二人一緒に居たの？」

だいぶ酔ってたのに。あの後大光と合流する約束してたから一人で帰るって言ってたのかな？

「あーなんかこいつがお前のせいで酔い潰れてたから泊まらしたんだよ。」

は？俺のせい？なんか納得いかないですけど。
でも俺は大光より大人なので言わないでおこう。俺かっこいいね。

「そうなんだ。心配してたけどよかったわ。」

克樹元気そうだけど、このあと場合によってはまた落ち込んじゃうなーと心の中で思いながら、このバカップルにじゃあと告げて自分の場所に戻る。矢花がんばれ。

　