プリムラ 3 (ページ36)

今日:4 hit、昨日:26 hit、合計:43,538 hit

待ってて s.t ページ36

佐々木大光

目を瞑れと言われたので目を瞑った。
だけどかつきはなかなか近づいてこない。いや、息がかかるので多分近づいてはいるんだろうけど……。

あまりにも遅いから、「ねぇ、まだ？」と目を開いて聞くとその瞬間に唇が重なった。

付き合ってから、愛おしいと思う度に重ねた唇。付き合う前にも何度か勝手に奪った唇。

でもぜんぜん違くて。
比べ物にもならないくらいあまくてやわらかくて、優してあったかくて気持ちよくて。

押し付けられるそのやわらかいのに少し戸惑ってしまう。

克樹は俺が目を開いてしまったことに気づいているのか。多分これは気づいてないな。必死でかわいい。

もう、本当に、だいすきだ。

てか、長くない？俺は全然構わないんだけどね。でもちょっと長くない？この可愛い顔ずっと見れてしまう状況もかなりきついよ？

「……なんで目開いてるの……」

そんなことを考えていたらいつの間にか口は離れていて、涙目でそう聞かれる。俺は別に開こうと思って開いたわけじゃない。かつきが遅いから開いただけ。

「ごめん。でも可愛かった。有難う。」

「……うん。あの、大光信じてくれる？俺が大光のことだいすきって、こと……」

「……。うん、信じてるよ。」

しわいっぱいになるくらいに笑うかつき。

俺はちゃんと知ってるよ。
かつきはかつきなりに一生懸命に伝えてくれてること。ちゃんと俺のこと好きでいてくれてるってことも。嘘つけないし馬鹿みたいに天然だし、意味わかんないくらい変なとこで真面目で素直で。だから振り回されてもいいやって思ってしまう。

ただ俺が年齢差にコンプレックスを持ってるだけ。俺が心が狭すぎるだけ。メンバーとの関係を気にしてしまうのだって本当に子供すぎるなって反省してる。

でも、俺がかつきのこと好きなのはこの先もずっと変わらないことだから。

「かつきもさ、安心してね。」
「？」
「俺はずっとかつきが好きだよ。はやく追いつくから待ってて。」

うん！って花のように笑うかつき。もう本当にかわいい。全国各地で「俺の恋人ですよ！」って見せびらかしたい。

「お腹すいた？」
「え、なんでわかったの」
「お腹鳴ってる音聞こえた」
「大光のばか！」
「気緩んで呑気にお腹鳴らしてるのが悪い。なんか作るよ。なにがいい？」
「オムライス食べたい！」

　