プリムラ 3 (ページ22)

今日:18 hit、昨日:24 hit、合計:43,680 hit

おねがいごと m.k ページ22

本髙克樹

「あのね……かっこよくなりすぎないで欲しい」

言えた……。って大光なんにも言ってこない。俺頑張って言ったのに……なんか泣きそうになる。

恥ずかしくて下向いてた顔を恐る恐るあげると、大光が物凄い赤い顔になっている。え、しかもなんか涙目。

「た、大光……？なんか俺変なこと言っちゃった、？？？」

ぶんぶんと子供みたいに頭を横に振って違うと訴えてくる大光が可愛いなと思っていたら、数秒後には大光の腕の中にいた。

肩に染み込む大光の涙がなんかちょっと嬉しい。

「おれ、ちゃんと……」
「たい、こう？」
「おれちゃんと、克樹の前でかっこよく居られたんだと思ったらうれしくて……」

たいこうそんなことで泣くの？

「たいこう泣き虫だね」
「普通に悪口だけどスルーする……」

猫みたいに俺の肩にすりすりしてくる大光は、年下って感じがして可愛い。抱きしめたい(もう既に抱きしめられているのだけど)。

それに、「大光はいつもかっこよくて優しくて俺にとって自慢の恋人だよ。それに比べて俺は大光に触れられるだけでそこがずっと熱くなっちゃうし、大光のこと考えただけで大好きでおかしくなっちゃう。」

顔が見えないからこんな恥ずかしいことすらすら言えるけど、ちょっと大光の顔も見たくて。
大光はまだ俺の肩にすりすりしてる。

「そんなこと言ったら俺だって、克樹に嫌われたくなくて必死でクソダサいよ。でもかっこいいと思ってもらえてたなら今のままでいいや。」

「いや！今のままでは駄目！大光かっこよすぎるもん！」

「お前だって可愛すぎんだよ！他の男に色目使うな！」

「使ってない！」

結局お互いのこと言い合うだけになってしまった。なんか俺ららしいというか、意外とこういうのは好きだったりする。俺に反抗したりしてくる人ってあんまりいないから。

「これからさ、言いたいことある時はぎゅーしながら言わない？」
「お前さ、それ俺以外とはするなよ」
「わかってるよ！」

　