たいこうとやばな m.k ページ19
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大光はよく、自分と矢花を比べる。
普段自分大好きな大光だから、珍しいなって思いながらいつも見ていたんだけどね。
「矢花のこと好き？」
矢花のこと、好き。矢花はいつも優しくて、俺が欲しい言葉をくれる。この前も何度も間違える俺の苦手なところを、夜遅くまで一緒に練習してくれた。
あとお肉くれる。なんか、矢花はあったかい人。
でも、俺は嶺亜も琳寧もこんぴも好き。
同じすき。
大光は違うの。
矢花は安心感があって、ついつい頼っちゃう。
でも大光は好きだから迷惑かけたくないと思っちゃうの。別に矢花には迷惑かけてもいいや、とか思ってるわけじゃなくて、ね。
安心感があって、ついつい頼っちゃうけど。でも大光みたいにドキドキはしない。
そりゃあばなさんは俺に無いものたくさん持っててかっこいいなって思うし、薄いほっぺにぎゅうぎゅうにご飯を詰めるところはかわいいとか思う。でもそれだけなの。それで終わりなの。
大光は、かっこいいって思ったらもうおかしくなっちゃう。
頭がへんになって、大光のことしか考えられなくなる。愛おしいなって思っちゃう。
矢花にぎゅーってされたら、あったかいなとか安心するなって思うけど、大光にされたら心臓壊れちゃうんじゃないかってくらいどきどきする。
でも、こんなの難しくて大光に言えない。
大光は優しいから、俺の言いたいことを最後まで聞いてくれるし理解してくれる。
だけど、こんなこと言ったら多分引かれちゃう。
昨日だって、頑張って俺からぎゅーしたのに照れたりしてなかったし今日だって俺から手繋いだのにそのまんまだった。
余裕ない俺なんて見せたくない。
毎回毎回どきどきしちゃって、その日ずっと大光ばっか考えちゃう俺なんてダサい……よね。
大光の事考えるだけで胸が苦しくなる。
すき、すき、すき。
大光の事考えるだけで触れられたところがあつくなる。
「矢花のこと好き？」
「好きだよ。……なんか付き合う前にもこれ聞いてたよね笑」
「……好きか、そっか。」
「うん。でも、大光のことも(違う意味で大)好きだよ。」
「ありがとう」
ほら、そっけない。
大光は俺のこんな女の子みたいなところ、嫌いなのかな。うじうじして、男のくせに、って。
隣にいる大光の服の袖をぎゅっと掴む。
離れないように。
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作者名：標 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kiyo0630201/
作成日時：2021年4月26日 9時
