プリムラ 3 (ページ10)

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あつい m.k ページ10

本髙克樹

自分でやっておいて恥ずかしくなって改札に駆け込んじゃったけど、電車まだなんだよね。

帰りの挨拶とかめちゃくちゃ適当に言っちゃって嫌われたかなとか心配。ていうかさっきのあの……ぎゅー……とか……嫌だったらどうしよう。
大光のことになると、頭より先に体が動いちゃって失敗ばっかしちゃう。

こうやって帰りとかに反省会みたいなの開いちゃうのも結構頻繁にあったりする。

電車が来るまで駅にあるカフェでココアでも飲もうと思ったけど、全然喉を通らない。こうやって何回も大光との初めての出来事にドキドキして可笑しくなって。どうしたらいいのか分からない。

ただ、好きだから。

からだがずっと熱い。顔も熱くて赤くて、なんか変な感じ。大光の熱さが俺にも移った？！……って、そんなことないか。

家帰ってからやる事あるしちゃんとしなきゃ……。

ココアがはいったカップを頬に当てると、大光の手みたいにひんやりして気持ちいい。

なんか本当に俺の頭大光ばっかなんだなぁ。

ぼーっとしてたら電車が来る時間になっており、急いで机に置いてあるものをしまって財布を出すと、肌けた上着の下から見える赤い痕。

そういえばこの前じゃれてるだけかと思ったらいきなり腕噛まれた時あったな……。
その噛み跡が、自分は大光のものって感じて思わず唇を重ねる。自分の二の腕にキスするなんて可笑しい人に見えちゃうかな、なんて考える暇は俺には無くて。

パッと上着を羽織り直し、お金を払って走る。

またドキドキしてきちゃった。

なんか凄く、熱い。

暑い。

あつい。

　