プリムラ 3 (ページ12)

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本髙克樹

電車に乗ろうとしたら、電話が鳴って大学の友達に呼び出された。もうなんでこんな時にと思ったが、きっと今のままだと俺は家に帰ってもぼーっとするだけだから有難いと思おう。

くるりとコンパスのように体を動かし、また走る。

楽しそうに笑いながら向かいいれてくれる友達を見たら、苦しさとかさっきまでの感情が吹っ飛んだ。
待ち合わせ場所から3分ほどのご飯屋さんに入り、席に着く。鞄からノートを取りだし、雑談をしながら進める。これは高校生の頃から変わらない俺らのスタイル。心地よくて、好き。

最近とても忙しい。
個人の仕事も増えたし、卒論は終わったものの大学の勉強もより深いところまで学ぶから難しくて疲れる。
それに、俺にとって癒しの時間である釣りもやったら寝る時間がない。

スケジュール帳は真っ黒。

でも全部自分で決めたことだからやりきりたい。

今までもなんだかんだやりきってきたから大丈夫。

だいじょーぶ､､､

「飲み物いれてくる」
「うんー」

勉強のお供でもある飲み物。ドリンクバーだと、その飲み物も沢山あって選ぶのが楽しい。勉強中のちょっとした息抜きにもなるし。

何飲もうかな、なんて呑気に考えてたら

「んっ……」

雷が落ちたみたいな強い痛みが頭に感じる。
視界がぼやけてる。
体に力が入らない。

ポケットの中で震えるスマートフォン。

「……に電話して」

　