【SERVAMP】君は何を探しているの【虚飾】

第３６話　見栄を張る　sideマコト ページ39

“虚飾”ってねぇ…、

辞書を引くと、【実質を伴わない外見だけの飾り。見栄。】って出るんだよ。



つまり見栄っ張りだってことなのさ。この僕が。






誰よりも強い、誰よりもかっこいい、誰よりも頼りになる。




そう思われたくて、僕は見栄を張る。






何も無い中身を知られたくなくて。




醜い本当の僕を見られたくなくて。




この僕の本音を聞かれたくなくて。






僕は、僕以外の全員に見栄を張る。







〈アイツ、全く出てこねぇ〉

〈やっぱり、“憂鬱”に遭ったことだよねぇ〉

〈格が、違い、すぎる、とても、怖い、勝ち目がない〉

〈当たり前でしょ。僕は末っ子なんだから、兄さんに勝てるわけがない〉

〈それでも僕が勝つんでしょ？何か変だね？〉

〈それがこの世の不思議だね！ワンダフル！〉

〈でもよォ…そろそろアイツにはァ出てきてもらわないとォ、なァ？〉

〈Aに余計な心配をかけたくありませんしね〉

〈ぶはっ！それより“憤怒”の姉さんかっこ良かったよね！僕会いたいな！あっはは！〉

〈僕は…早くこの世界を終わらせなければ…ならんのだよ…〉

〈“あの人”が望んでいるのは世界を終わらせることじゃないだろ？馬鹿なの？馬鹿なの？〉







こんな役目、嫌だ。




辞めたいよ。




助けてよ。





《お前なんかを、誰が助けるんだ？


助けて、なんて。


考えるだけ無駄だよ。


何も考えるな。



最期まで。》

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