第八十八話 コナンside ページ8
灰原に調べてほしいことがあると連絡を入れ、古谷さんの名前とこっそり撮った顔写真を送る。
すると、灰原から返信が来るのにそんなに時間がかからなかった。
一言、見たことがあると告げられた。
スケボーに乗り博士の家へと急ぐと、そこには少年探偵団の奴らがいた。
「コナンくん!今から博士の家に行くところなんですよ!コナンくんもですか?」
「ああ、大事な用があるんだ。先行ってるな」
いても立ってもいられず、会って早々切り上げた。
「あっ、コナンくん…行っちゃった」
「なんか焦ってたなー」
古谷さんが言っていた、銀色の布という言葉。
もしそれが、布ではなく髪の毛だったら
路地裏で、痛々しい姿で意識を失っていた古谷さん。
考えられる可能性と言えば、やはり
黒ずくめの組織、そして
ジン。
「博士!」
博士の家の扉を勢いよくあけると、音に驚いた博士がオレンジジュースを床にぶちまけていた。
「…ごめん」
「わしのオレンジジュースが…」
恐らく、灰原に内緒で用意したのであろう。酷く項垂れていた。
「ちょっと、なんの音って…はーかーせぇ?」
床のオレンジジュースが目に入った灰原は腕を組み博士をジト目で見つめた。
「灰原、さっきの話だけど」
「でしょうね。でも、ただ博士のハンカチを拾ってくれた人なだけよ。あの感覚は無かったわ」
「でも、あの人この前急に頭を抱えて言ったんだ。銀色の布、黒、路地裏って」
「……関係はありそうだけれど、私には普通の人にしか見えなかった。考えすぎなんじゃないの?」
「……。じゃあ何故傷だらけであそこに…」
顎に手を当て考えていると、灰原はカウンターのパソコンを触った。
「事務所を中心に傷害事件などを調べたけれどそちらもヒットはしなかった。相手は大人なんだし、酔って転んだってところじゃないかしら」
「…彼女は記憶喪失だったんだ」
「ええ?」
「自分の名前と、何故あんな状況にいたのか。分からなかったんだ」
「警察には?」
「言ってない。安室さんに任せたからな」
「なんでポアロの彼の名前が?」
2人は恋人同士なんだ、と告げると驚いたような声が聞こえた。
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作者名:yu-kun | 作成日時:2023年4月5日 4時