今日:9 hit、昨日:2 hit、合計:1,510 hit
小|中|大
第八十七話 零side ページ7
「あれ、今日は早いね。おかえり」
「……ただいま」
仕事を終え帰宅すると、教科書とノートを広げているAが目に入った。
「家庭教師先の予習?」
「まあな、一応次はテストをする予定で」
問題作りに苦戦しているようで、眉間に皺を寄せていた。
そんなAを見て、言葉にはできない感覚が背中に伝う。
不安のような、悲しさのような
「…?零」
こちらに体を向けた時、Aの肩に頭を落とす。
そして、背中に腕を回した。
「どうしたの?」
優しく、包み込むように頭を撫でられ目に力が入る。
……まだ、言わないでおこう。
あの戸籍は確かなものなのかを調べて、確定した時に伝えよう。
そして、両親の事も
Aは、この世界の人間なのか。いや、そんなはずはないんだ。
でも
どうか、そうであってほしい。なんて
思ってしまう。
「なんでもないよ」
不安げな顔をするAに、愛しさを感じながらキスをした。
「好きだなって、思っただけ」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます
4人がお気に入り
4人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:yu-kun | 作成日時:2023年4月5日 4時