第八十六話 零side ページ6
「風見、悪いが少し手伝ってほしい」
安室透としてポアロに出勤する前に、やらなければいけないことがある。
「この女性の戸籍を作ってほしい」
「…わかりました」
それは、Aの戸籍を作ること。
今度はこちら側に来たAは何故か印鑑と免許証だけをズボンのポケットに入れ現れた。
こちら側に来る前、所持していたものはスマホと財布だけだったらしいが
何故、その日所持していなかった印鑑が入っていたのか。
……考えても、正解はわからないな。
「…?降谷さん、この方の戸籍ですが……」
「ん?どうした」
「既に、存在しています」
「は?」
慌てて風見のパソコンを覗き込むと、そこには確かにAの名があった。
どういうことだ!?Aはこちら側の人間だったのか!?
いや、そんなはずはない。
だったら、僕がAの世界に行った時
僕は体が縮んでしまっていた。それも、とても小さなフィギュアサイズで。
こんな非科学的なこと、ナニカがないと起こりえない。
「降谷さん、どうしますか」
「このデータを僕のパソコンに送ってくれ」
「了解しました」
送られてきた戸籍を見る。
本籍、名前、出生…、恐らく全てあっている。
この戸籍を元に、警視庁のデータベースにて検索をかけるとヒットした。
「…うそ、だろ」
彼女の両親は、警視庁公安部の人間で
黒ずくめの組織へ潜入しており
18年前に、殉職していた。
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作者名:yu-kun | 作成日時:2023年4月5日 4時