第八十五話 コナンside ページ5
「新一」
「……会いたいよ」
小五郎のおっちゃんと呑気に蘭が作るご飯を待ちながらお笑いを見ていたら、小さく聞こえてきた蘭の声。
ごめんな、蘭。辛い思いをさせて。
俺も、江戸川コナンじゃなくて
工藤新一として、お前の隣をまた歩きてえよ。
久しぶりに、灰原に頼んで未完成ではあるが解毒剤を飲もうか、簡単に出してくれないだろうけど。
確かに、最近は工藤新一の姿で蘭に会っていない。
灰原には古谷さんの事で用事もあるし、丁度いい。
明日の朝、博士の家に行こう。
「蘭ねーちゃん、大丈夫?」
「…コナンくん。ごめんね、大丈夫よ。すぐご飯作るからね!」
なにがあっても、俺はお前を守るから。だから…
「そういえばね、私古谷さんに連絡先教えたんだけど必要なかったかな?安室さんがいるもんね」
「え?渡したの?」
「何か力になれないかなーと思って。…あれ、スマホに通知が」
蘭のスマホを覗き込めば、そこにはよろしくお願いしますという文字が
「あ!古谷さんだ!」
だから、まずは古谷さんに近づけたくなかったんだよ。
黒ずくめの組織と関係がありそうな、彼女に。
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作者名:yu-kun | 作成日時:2023年4月5日 4時