第九十九話 ページ19
「記憶が戻ったんですか!?」
蘭さんに連絡をし、ポアロで待ち合わせをして記憶のことを話した。
梓さんも蘭さんも、自分の事のように喜んでくれた。
流石に、彼女達にはこの世界のことは言えないけれど
「お2人にはご心配をおかけ致しました」
「そっそんな!頭をあげてください!」
「そうですよ!Aさんが気に病むことなんてないです!喜ばしい事なんですから」
そう言って、梓さんは珈琲をご馳走してくれた。彼によく似たウィンクと一緒に。
そんな梓さんが可愛くて吹き出してしまった。
「安室さんの真似なんてしなければよかった...」
恥ずかしそうに、顔を赤らませていた。可愛い。
「あれ、左手の薬指に指輪...えっ!?」
蘭さんは私の薬指に注目し、感激したかのように口を覆った。
「いつもは右手にしていたはず...ということは」
梓さんも同様に口を覆った。
「...バレましたか」
大人しく2人に手を向けると、祝福の言葉をくれた。
蘭さんは目に涙を溜め、梓さんはニヤニヤと
その光景を目にすると、胸が熱くなって2人の手を取る。
「本当に、本当にありがとうございました」
この世界に来て、私はたくさんの人に助けられてきた。
コナンくんをはじめ、様々な人と関わりを持って
辛いことも、楽しいことも、悲しいこともたくさん経験した。
それはどれも、零と一緒に経験したこと
かけがえのない大切な思い出
もう1人の私の記憶も、大切な記憶だ。
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作者名:yu-kun | 作成日時:2023年4月5日 4時