(物理的に)小さかった降谷さんがいる世界へと行きました。【名探偵コナン】IIの続き (ページ14)

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第九十四話零side ページ14

「うっ…っく」

突然頭を抱え蹲り、唸ったと思えばフッと意識を無くしたAを人目につかないように連れ帰宅しベッドに寝かせる。
その際ずっと辛そうに、苦しそうに魘されていた。
これは病的なものではないと、直感がそう伝えたため医者にはかからなかった。

倒れた時は驚いたし、不安が勝った。このままAは消えてしまうのではないか
元の世界へ戻ってしまうのではないか、と。
慌てて首元を確認すると、僕の時のような数字の痣はなかったことに安堵する。

「A…」

未だ目覚める気配のないAの頬を撫で、唇を落とす。
すると、少し顔色が落ち着いた。

「…大丈夫、ずっと一緒だ」

Aの手を握り、自分の額にあてる。
魘される度にAの汗を拭ったり、手を握ったりしてとても長く感じる時間を過ごした。
次第に魘されることも無くなっていき、規則性のある寝息をたてはじめた。
朝までAは起きることはなく、心配は尽きなかったが少し一緒のベッドに入った。
寝返りを打ち僕の方に向くAの前髪を払い顔を見つめる。

無くしたくない、大切な人。
離したくない、愛する人。

早く目を覚まして、また話をしよう。A。