つまらないインタビュー ページ36
《続いて栗林選手!高校生でここまでの活躍、本当に驚きです!高校生というハンデをほとんど感じさせませんでしたね!素晴らしい動きを見せてくれました!》
《トップ練習には以前から参加させてもらってたので、そうですね…動きについていけないということはなかったです。》
《ええ、全く見劣りしませんでしたよ!これからフィジカルトレーニングで今の細い体がしっかりとした体幹になれば……》
あぁ……つまんないインタビュアーだなぁ。
そう思っていると、栗林くんも何か悟ったような表情になる。
《僕は──、フィジカルという言葉はテクニックのない人間の言い訳だと思ってます。今の自分に何が必要かは……自分が1番よく分かってます。自分以外で分かるとすれば、ユースの福田監督。それぐらいなので。》
俺も栗林くんと同意見だ。フィジカルしか言い訳にしてこないやつは大概成長しないし、想像も超えてこない。
だからさっきのインタビューはつまらなかった。
《あー、えーっと、栗林選手が今後戦ってみたいチームや選手の方はいるんでしょうか!?》
《……1人は海外、もう1人はウチのエスペリオンにいます。この2人が今俺が戦いたい相手ですかね。》
へぇ、エスペリオンにいるんだ。誰だろう?そんな話あまり聞いたことないけどなぁって思っていると隣の遊馬からジト目で見られてる気がする。
ヒーローインタビューが終わると福田監督が口を開く。
「義経。明日からお前は別メニューだ。いいな?」
「……ウス。」
試合中、我らがキャプテン義経さんが肉離れを起こしてしまい、しばらくリハビリに入ることになった。
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作者名:jack | 作成日時:2023年3月4日 23時