初合同練習 ページ28
小合宿も終わり、今日からはBチームとの合同練習が始まる。早速コートにメンバーが集まっていた。
「……えー、新入生の皆さん初めまして……。キャプテンの義経健太です。これから一緒に力を合わせて……モジョモジョ……分からないことがあったら遠慮なく訊い…モジョモジョ……」
「あのーすいません義経サン。語尾がちょっと……」
「あぁーよろしく、よろしく、よろしく」
相変わらずの語尾の聞き取りづらさに戸惑うセレクション生。昇格生たちはもう慣れたもんで、気にしないでいる。
これでも義経さんは去年プレミアリーグの得点王だったらしい。技術力えぐかったからなぁ練習中も。
「そういうわけで、今日からAB揃っての初めての練習となる。この全体練習でお互い刺激しあってくれ。ま、仲良くな。」
福田さんがいることで、Bチームの同期は嬉しそうだ。青井はポカンとしているが笑。
「んじゃ、今日の練習は試合やりましょー。11人対21人で。まずはBチームが11人で、Aチームが21人。Bチームからボールどうぞ。」
試合が開始され、迫ってくるAチームに戸惑うBチーム。
あっという間にボールを取られ、シュートを決められる。
「なんじゃこりゃあ!!!」
わー、みんな大混乱してる。
でも、これは基本的なことが出来れば守れるんだよ。みんな。Bの先輩方が口出さないあたり、1年生に任せるっていうことなんだろうな。
「ハイ、んじゃ交代。今度はAチームが11人、Bチームが21人。Bチームボールからスタート〜。」
Bチームが迫ってくるが、人数でプレッシャーをかけるという単純な発想で攻めてきているのが分かる。
あの様子じゃ、DFすぐ反応してくれるだろうから、中継役にいくか。桐木さんも俺の動きに反応して上がってくれてる。
青井が出せるとこがないと気づいた時には阿久津にボールを奪われ、そのままワンタッチパスで前線へ運ぶ。
サイドに高杉さんが上がってきていたことを確認していたので、そのまま俺がパスを回す。
「おーいサイド!サイド散らして最後ホニャホニュラララ…」
「語尾語尾!」
「OK!」
高杉さんから桐木さんへサイドチェンジし、桐木さんがゴール前義経さんにパス。そのままダイレクトシュートで得点した。その様子にBチームの1年生の表情は強ばる。
「11対21でもサッカーは成立するんだよ。」
それからも全くBチームは得点することが出来ず、遊馬のアシストで再び義経さんがゴールし、2得点目となった。
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作者名:jack | 作成日時:2023年3月4日 23時