小合宿 ページ26
俺達Aチームは現在小合宿中である。
1週間程度の合宿で、終わりにさしかかり、最終日は東京秋霖高校との練習試合が組まれていた。
レベルはそんなに対したことはない。
最近上がった清水、菅原、遊馬にもAチームに慣れさせる意図もあったのか、フル出場されてた。後半途中流れが淀み、点数が中々入りづらくなった所で俺が中盤に入り、そこから2得点稼ぎ、前半6点、後半4点の計10点で幕を閉じた。
「お疲れ様でした、下村監督。Aチームの小合宿の最後に、いい練習試合ができました。また、よろしくお願いします。」
福田と対面するのは、相手校の監督。
とても苦しそうな表情だ。なんせ1点も取れず、ただただ自分たちの生徒の戦意を喪失させてしまったのだから。
下村監督がAチームの様子を見ると、コートで他の選手より疲労度の高い3人が見える。
「ふ、福田監督。なんだか、そちら、選手の疲労の落差が激しくないですか…?あの3人だけ、なんだか負けた我々より遥かに疲れてるような……。」
「あー。最近Aチームに上がった奴らです。ま、最初はあんなもんです。1人例外はいますが。」
「……?」
この点差で、そんなに運動量もあるとは思えなかった下村は、慣れてないだけであんなに疲れるのかと疑問を抱いたという。
「はぁはぁはぁはぁ……」
「おい。座り込むんじゃねぇよ、みっともねぇ。遊馬。」
「あ、阿久津さん……」
コート内で座り込む遊馬に対して、厳しい言葉を浴びせる阿久津。
「立て。高校の奴らに情けねぇとこ見せるな。せっかく、Aと一緒に新規生から抜擢されて、Aチームに上がったんだろ?あいつを見ろ。」
そう言って目線の先には、先輩達と話すAの姿が目に入る。
「あいつはもう既にチームの核になってきている。さっさとお前も
Aは少し心配で、耳だけ阿久津と遊馬の方に傾けていた。
多分、そうやって言うのは期待の裏返し。現在、得点力のあるFWが不足しているという事情もある。
素直じゃないよね、本当。
そう思っていると、ふと先輩から声が上がる。
15人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:jack | 作成日時:2023年3月4日 23時