一般人なんだけど ページ2
「お前なんで、こんな遠いところで見てんだ?ファンなら近くで見ればいいだろ?」
「別にファンって訳じゃないですよ。どんくらい出来てるのかなって見てるだけで……」
「ほ〜、その口ぶりじゃぁあいつらに勝てるって言いたいわけだ。」
やべ、墓穴ほった。
「い、いやぁ。そんな、ね。たかが小学5年生のクソガキですから、そんな勝てるとかそんなこと思ってませんよ。はははははは〜。」
「ふ〜ん。よし。おーい!お前ら!!休憩終わったらこいつ入れるから!!少し相手してやってくれ!」
そう言うと、なんだなんだ?とこちらの様子をみるジュニア生。
「福田さん、なんてことしてくれてんだ。おい。聞いてませんが。シューズもありませんが。一般人ですが。」
「安心しろ、必要なものはこっちが揃える。」
いや、そういう訳じゃないんですが。ニヤニヤしながらこっち見ないでくださいよ。
そんな俺の心情を知っているのか知らないのか、グイグイと背中を押され、コート内に来てしまった。
「まじ最悪だ。なんでこんな目にあってんだ。」
「おみゃー、ずっと俺達のファンなんじゃって?コーチが自慢げに話してるんだ。」
まさか認知されてたとは…一生の不覚だ。
さっきから俺に話しかけてくれるのはウニ頭みたいな奴。
「ありがとう……こんな乱入者に話しかけてくれるなんて……君は優しいなははは。」
「
遊馬くんね、覚えた覚えた。
他の子達は様子見だなぁ。まぁ得体の知れないやつとはそんな話したくないよな。
俺門限もあるし、買い物も頼まれてるからあまり長いことできないんだよなぁ。
「ちょっと福田さん。俺、門限もあるし買い物頼まれてるんで、そんな長いことするつもりないんですけど。」
「えぇ、少しぐらいいいじゃんよ。けち。」
「何がケチだ。おい。…いつもやってるハーフコート5対5の15分ミニゲームでいいっすか。俺MF行くんで、メンバー任せますけど。」
そう言うと、一瞬悩んだ素振りを見せる福田。
それならと、俺のチームにはFW遊馬、ロアン、MFA、DF竹島、朝利。敵チームは、FW高杉、オジェック、MF桐木、DF中村、清水となった。
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作者名:jack | 作成日時:2023年3月4日 23時