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#18 ページ19

A視点




甘い食欲をそそる香りが調理室を包み込む。
クラスメイトもさっきまで慌ただしく行動していたが、
工程がほぼ終わっていることもあってさっきより余裕がある。

そう、今は調理実習の時間。
皆でスイートポテト作りに精を出している。

でもサツマイモが美味いんは冬なんやけどな。
秋に収穫して、冬くらいまで貯蔵したやつの方が甘味が強くて最高に美味い。

しかし今は初夏。
季節感無さすぎや。



『よし、あとは焼き待ちか。洗いもんするわ』


「いやいやいやいや!!座っててくださいA様!」


「これ以上お世話になれないです!!」



シンクの方に立とうとすると同じ班の子に道を阻まれ、
後ろからさらに腕を引かれ自分の席へと連行される。



『言うてそんな自分動いてへんけど、』


「ここまで皆に指示出しして効率よく動かしてくれたり!」


「作業はめちゃくちゃ手際良いし!」


「まだ2時間目余らせてここまで来れたのは、誰がなんと言おうとAちゃんのおかげだから!はい、座る!」


『えぇ……』



メンバーの熱量に押し負けて渋々席につく。
さすがに何もしてへんのはマズイから感想プリント書いとこ。




キーンコーンカーンコーン……



チャイムが鳴って休み時間。
使った器具の洗い物もメンバーが全部終わらせてくれたし、
洗い物をしても時間に余裕があったのか、
他のメンバーもプリントの記入が終わっていた。



先生「5班さん、焼けたよー!」


「お!待ってましたァ!私取りに行ってくる」


「オッケー、お皿準備しとく〜」


「じゃあフォーク行く〜」



1時間の実習の成果か、
各自役割をちゃんと伝えてそれぞれ動き始めた。

優秀すぎんか、この班……。助かる……。




.

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作者名:希 要 | 作成日時:2021年11月21日 23時

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