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怒り心頭のお姉ちゃんは女に近づいて、目の前に屈む。
光のない目が女を恐怖で呑み込んで逃がさない。
星乃「こんなしょーもないこと企てたんは?」
女「わ、私です、」
星乃「なんで」
女「貴方たちが灰谷くん達と、話してたから……、」
星乃「やーっぱそれかよ。だから嫌や言うたのに」
女「はぁ……!?私なんか灰谷くん達と話すことすら出来ないのに、お前は……!」
女が逆ギレしていたら、
途中でお姉ちゃんに殴られ横に吹っ飛んだ。
殴られた女は頬をおさえて起き上がらない。
対してお姉ちゃんは血がついたクボタンを片手に見下ろす。
星乃「何勝手に口開いとんねん。お前は私が訊いたことだけ答えりゃエエ」
女に対するお姉ちゃんの仕打ちを見ていた男は、尻もちをついてビビり散らしている。
ほぼ戦意も失せとるし、この男から情報引き出しとくか。
『……なぁ、お前はなんで加担したん?』
男2「お、俺ともう1人のやつは、お前らを攫って灰谷たちを……!」
『それは…灰谷たちへの反逆行為なんか?』
男2「あぁ、そうだ……」
『そうか。じゃ初仕事やな』
足元に転がる男二人を見ながら、
お姉ちゃんから分けてもらったウェットティッシュで赤く染った拳をキレイにする。
まさか初日から反灰谷と遭遇するとか恵まれとんなぁ。
この働きっぷりは契約相手としては申し分ないやろ。
『おんの分かっとんのやぞ、灰谷』
竜胆「別に隠れてたわけじゃねーよ」
蘭「しかしまぁ派手にやったな〜」
「サツに捕まったら面倒だぞ〜」と、
下に転がる男達を眺める蘭。
しかしセリフとその表情は真逆でニコニコと笑っている。
女「は、灰谷くん……、助け……!」
星乃「お前はもう今回のこと黙っとき。お前は聡くて損得が分かるええ子や、分かるよな?」
女「ヒッ……!」
星乃「チクろうとしでも無駄や。私のAがお前の声を拾ってまた来てまうよ。死人に口なしって言うやろ?」
灰谷に助けを求める女の視線を遮るようにまた、相手を恐怖へ引きずり込む。
最後に耳元で囁いた言葉が効いたのか完全に戦意喪失した。
星乃「さぁ、帰ろかA」
男2「お前らは……なんで、灰谷と……なんで……」
転がっている男の1人がボロボロながらも、
浅くなっとる呼吸の中なんで、とか細く呟いている。
その言葉は多分3人には聞こえてへんやろうな。
『互いの利益のための、ただの互恵関係や』
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作者名:希 要 | 作成日時:2021年11月21日 23時