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#14 ページ15

星乃視点




正門を見れば、ゾロゾロと女子が集っている。

ハッ……!この光景、4時間目前にも見たぞ。
女子をエサに群がるアリみたいに集らせられんのは、
二人しか思い当たらない。

チラッと女子の群れから見えた髪色は、
昼休みで完全に目に焼き付いた灰谷だった。

よし帰ろう。



星乃「よ〜〜し、A。裏門からまわろか」


『あのエサに群がるコイみたいなん、なんなん?』


星乃「原因は灰谷」


『よし裏門行こ』



さすがA。よう分かっとる。
メンドイのには関わらんのが一番やからな。

正門に行こうとしていたが踵を返して、
裏門へルートを変える。
グッバイ灰谷。



灰谷の目をかいくぐり、無事に学校を脱出した。
あの二人とは最低限学校で関わりたない。
メンドイのはご勘弁。
中学ん時の経験談やけど、男子関わると女子って怖いでなぁ。
あん時は大変やった。

懐かしさに浸っていると、ビクッとAは肩を揺らした。



星乃「どうしたんA?」


『……灰谷や』


星乃「え、まじ?キモ……」


『足音が近づいてきとる。逃げよ』


星乃「走れる?カバン持とか?」


『頼むわ、』



Aはスクバを私に渡して、
片手に持っていた楽器ケースを背負った。
両足首を回して二人同時に走り出す。



竜胆「ほら、やっぱバレてるって言っただろ」


蘭「マジ?耳良すぎねぇ?」


『うわ……。走って追いかけてきとる……』



なんでアイツらは頑なに逃げとるヤツを捕まえようとすんの?
逃げた意図を察してくれ。

それともあれなん?
人の時間奪って嫌がっとんの見て愉悦に浸るタイプ?
それやったら性格最悪やな、今すぐに改めてほしい。

そのまま私達は色んな道を抜け、一心不乱に走り続けた。
そしてAが走っていた足を止める。



『はぁ……っ、はぁ……。もう足音は聞こえへん、かな』


竜胆「そりゃ歩いてねーから聞こえるわけねーよな?」



聞こえた声に2人揃ってピシッと体が固まった。
後ろから肩にポンと手を置かれ、お互いの耳元で囁かれる。



蘭「やぁっと捕まえたぜ、伊勢崎?」



うわ、顔面殴りた…………。



.

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作者名:希 要 | 作成日時:2021年11月21日 23時

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