田舎育ちのハイパー野生児が世間知らず過ぎてヤバすぎる ２【東京卍リベンジャーズ】

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《あ、竜胆見て…って見れないか。めちゃくちゃカブトムシいる！都会にもいるもんなんだ》


竜胆「あっそ……」



さっきのローテンションは何処へ行ったのか、最初より遥かに元気になったようだ。
カブトムシで機嫌直るとか男子小学生かよ。
チョロすぎだろ。

こんなんで元気になったならこの電話の意味もない。
なんかAのためになることしたか俺？
いや、してない。

……俺、なんで電話寄越されたんだ？



《あ、そういえば言ってなかった》


竜胆「は？何が？」


《え？なんで電話寄越されたんだって言ったじゃん》



嘘だろ、思ってたことが口に出ていたらしい。
こんなこと思ってるなんて女々しいヤツとしか思われない。
最悪だ、めちゃくちゃ恥ずかしい。
それと兄ちゃんがいなくて良かった。
聞かれてたら数日間馬鹿にされ続けるし。
それだけは勘弁だ。


竜胆「悪ぃ、口に出てた。忘れてくれ」


《別にいーよ。電話の理由だけど、》



と、Aが言おうとした時、ケータイがするりと上から抜ける感覚。
顔を上げるとさっきまではいなかった兄ちゃんの姿。
「返せよ」と口パクをしながら手を伸ばして取り返そうとするけど、ヒラリと躱される。
当の本人はニコニコと笑って何も喋らないから、何を考えているかも分からない。






『思ってることが言えるのは蘭か竜胆くらいだなって思った』






竜胆「は、」


ケータイからAの声が聞こえる。
さっきまで通話していたから、音は聞こえないはずなのに。
俺のケータイを奪ったままの兄ちゃんを見ると、またニコニコ笑われた。
この様子からスピーカーホンに切り替えたのは絶対兄貴だ。

……つーか、アイツは何恥ずかしいこと言ってんだよ！



蘭「へぇ〜、嬉しいコト言ってくれんじゃんA♡」


『事実だから』


竜胆「なんで俺達だけなんだよ。もっと他にいるだろ」



実のところ、そう言ってもらえて嬉しいが恥ずかしくて、さすがに表には出せなかった。
だから動揺していないフリを装ってフツーの会話をするように心がける。



『うーん……、心配かけても許されるから…とかかな？』




蘭「いや許さねーよ？」


『ダヨネー』



兄貴が許すわけねーから。
逆になんで許されると思ったんだ。

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