田舎育ちのハイパー野生児が世間知らず過ぎてヤバすぎる【東京卍リベンジャーズ】

#23 ページ25

三ツ谷視点



それからというものの破竹の勢いで俺たちは敵を一掃していった。今日は皆かなり調子がいい。
それもAが魁戦で作ってくれた流れのおかげだ。
その存在感はマイキーによく似てる気がする。
コイツとなら勝てねぇ喧嘩でも勝てるって思っちまう。


三ツ谷「ハハッ、」


その楽しさに思わず笑いがこぼれる。
喧嘩の最中にこんなことを思うのは不謹慎かもしれないが、
今はただ、この瞬間が楽しい。


『あ、三ツ谷くん』


三ツ谷「めちゃくちゃ余裕じゃねぇか、A！」


Aと背中合わせになる。
彼女は息が乱れるどころか寧ろ、まだまだこれからだといった様子で敵を薙ぎ倒していく。
一撃一撃がめちゃくちゃ正確な蹴りやパンチに、一発で相手は伸された。
ただでさえ多いはずのスタミナを最低限減らすことなく、Aはこの戦場を自由自在に舞い、そして刺す。



三ツ谷「おっそろしいな、山育ち！！ドラケンがハイパー野生児って言ってんの否定出来ねぇわ！」


『嘘ォ！？三ツ谷くんは一番の良心だと思ってたのに！』


三ツ谷「悪い悪い！」


『三ツ谷くんも私にこんな動きやすい特攻服仕立ててくれたんだから、三ツ谷くんのせいでもある』


三ツ谷「俺かよ！？いや、特攻服の出来を褒めてくれんのは嬉しいけど！」








抗争は東卍の圧勝。
負けた相手のチームは解散、という結末で幕を閉じた。
今まで見た事ないくらいの早さで終わったと思う。
魁戦も含めてAのお陰だろうな。



『いえーい、三ツ谷くん〜。東卍の圧勝だよー！』


三ツ谷「だな。お前も凄かったし、他のみんなもいつも以上に戦えてた。魁戦のお陰だな！」


『でも大将首とったのはマンジローじゃん』


三ツ谷「大将首とるだけが全てじゃねぇよ。今回みたいに魁戦で勝って、チーム全体の士気を高めるのも負けねぇには必要だ。お前のお陰だよ」


『……そうなのか。覚えとく』



遠くからサイレンが聞こえる。警察だ。
皆も音に気づいたのか、慌てて自分のバイクの元へ走る。


マイ「サツだ！皆ここで解散！！」



マイキーがそう皆に号令をかければ皆エンジンを吹かし、
その場から退散していく。
俺たちもそろそろ退散しなきゃな。



三ツ谷「A、そろそろ俺たちも退散、」


マイ「あ！いた、Aー！ほらさっさと逃げんぞ、俺の後ろ乗れ！」


『あ、うん！三ツ谷くんも気をつけて！』


マイ「気をつけろよー！」




……今のは運が悪かっただけだ。

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