#1 ページ3
A視点
手紙と一緒に入っていた手描きのめちゃくちゃ雑な地図と、
コンパスを片手になんとか両親の家に着いた。
表札にも丹川と書かれているので間違いないだろう。
門をくぐり、ばあちゃんから預かった鍵で戸を開けた。
『うっっっっわ、広……』
結論から言うとめちゃくちゃ広い。
けど、一通り間取りを見て回っていると少しだけど記憶がよみがえってきた。
一室だけある洋室に佇むグランドピアノ、本棚に敷き詰められた大量の楽譜。
懐かしい。ここで母さんのピアノを聴いた記憶がある。
『……ん？』
待て。
その時、自分って一人だったか？
じいちゃんでもない、ばあちゃんでもない。
じゃあ、一緒に母さんと演奏していた父さんか？
……いや違う。
『歳が近い誰か、居た気がする』
思い出せ、A。
誰だ……？何人いた？……思い出せない。
男か、女か？記憶が確かなら両方いた、気がする。
思い出せ！
『う〜〜〜〜〜ん……、誰だっけ……。誰……！？』
頭を痛めながら自分の記憶を振り絞っているが全く容姿や声に関する記憶は全く思い出せない。
もう少しで外界からの音をシャットアウトするその時、
インターホンの音が鳴った。
『っは、』
そこで見事に私の集中は途切れた。
このまま考え続けていたらドツボにハマっていただろうなと思うと少し怖かった。あぶねー。
縁側から外を見れば、家の前に大きなトラックが止まっていた。
どうやら引越し業者が私の荷物を運んで来てくれたらしい。
荷物は私のものだけなので、和室の一室に運んだ。
本棚とか大きいものだけ業者さんに手伝ってもらおう。
……あれ？荷物増えてない？
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 396人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「東京リベンジャーズ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
希 要(プロフ) - あいさん» 紛らわしい表現をすみません！「殺.そうとした」という表現だと未遂や、やろうとしたけど無理だった的なニュアンスになってしまうかと思い、そう表現しました。混乱させてしまいすみません！ (2021年10月8日 22時) (
レス) @page40 id: d0c954cf97 (このIDを非表示/違反報告)
あい - あ、すみません💦ちょっと飛ばしちゃったみたいです…生きてるってちゃんと書いてありましたね (2021年10月8日 19時) (レス) id: b9012f6ce3 (このIDを非表示/違反報告)
あい - 最新とっても嬉しいんですけど、真一郎くんって27話らへんでは生きてる設定だった気がします… (2021年10月8日 19時) (レス) @page29 id: b9012f6ce3 (このIDを非表示/違反報告)
希 要(プロフ) - あんこらさん» ２周もしてくださってる！？ありがとうございます、感無量です……！楽しんでいただけてめちゃくちゃ嬉しい……！作者冥利に尽きます！これからも楽しんでいただけたら幸いです！ (2021年10月6日 22時) (レス) id: d0c954cf97 (このIDを非表示/違反報告)
あんこら - 読むのめちゃ楽しいです〜！もう２周してしまった… (2021年10月6日 17時) (レス) @page37 id: c635b6e2f1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：希 要 | 作成日時：2021年9月24日 15時
