田舎育ちのハイパー野生児が世間知らず過ぎてヤバすぎる【東京卍リベンジャーズ】

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A視点


『……北西、北西だよね？』


拝啓
じいちゃんばあちゃん母さん父さん、今までお世話になった村の皆さま。

桜のつぼみが段々と膨れ、開花が待ち遠しいこの頃。
皆様に置かれましては、健やかにお過ごしのことと存じます。

さて、最近までは故郷の山を原を走り待っていた私ですが、今現在




迷子です。




『クソっ、コンパス使ってるのになんで……』






時を遡ること3週間前。
類稀なるとんでもないレベルの田舎にあるじいちゃんばあちゃんの家で過ごす自分に、一通の手紙が届いた。


場所はドイツからで、海外で仕事をする両親からのものだった。
ご丁寧に封蝋で止めてある手紙を読み進める。



『……ふむ、なるほど？』



要約すれば、私が進級する4月に合わせて日本に戻ってくるらしいので一緒に住もうよ！との事。自由だなぁ。

でも、やっぱり海外から日本へほぼ引っ越す形になる訳だから手続きその他諸々時間が掛かるらしいので、都合上あまり踏み入ることのなかった実家へ先に住んでいて構わないそう。




という諸々の経緯を経て私は田舎から、
コンクリートジャングルと名高い東京へと降り立ったのだが
案の定迷子である。
なんか手紙の下の方に、

「数年前お盆の時に行ったことあるから大丈夫ダヨ！」

なんて書かれてたけど楽観的すぎて思わず手紙を握り潰すところだった。


東京なんて入ったことない山と一緒なんだよォ……！
一歩間違えたら迷子→遭難→人生終了なんだわ。
山舐めんてんなこの両親。

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