ワタシの事情 《 3B 》

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『見て！Aちゃん』


「なにー？」


『この遊具すごくない？
　地球みたいにさ、グルグル回んだよね』






ふっかが指差したのは"グローブジャングル"って遊具。



時々公園で見かけるのね、

最近は転落防止とかで無くなった公園も多いけどね。







「これ、大阪にもあったよ」





ふっかは物珍しく紹介してくれたけど、もともと住んでた家の近くにもあったんだよね。






『あー、そうなんだ！
　これ楽しくない？』


「まあ...回してくれる人がいたら、なかなか楽しい」


『それにこれさ、中に入ったら秘密基地みたいじゃない？』


「ふふ、外から丸見えだから秘密基地にはならないよ」


『えーーーー、
　いいじゃん、秘密じゃないかもしれないけど、ここ俺たちの基地にしようぜっ』


「やだよ〜
　他の子も使うでしょ」


『いや、まあみんなのだけど、俺らが遊びに来た時はここで喋ったりゲームしたりしようよ、

　あ、Aちゃん、DSとか持ってる？』








そう、ふっかはこのとき、ここを秘密基地にしたいんじゃなくて、2人の遊び場にしたかったんだなって思った。




ふっかは話してる時、自分から話題を振ってくれて、


それは気を遣ってかもしれないけど、私にとってはそれがすごく楽だった。





だから、また来れるんだな、遊べるんだなって思うとちょっと嬉しかった。









この日以来、他愛もない話をしたり、こっそり家から持ってきたお菓子を食べたり、秘密の話をしたり、当時人気だったDSで遊んだり






本当にそこが遊び場になってて





小学校でもふっかがたくさん助けてくれて








気付けば好きになってたんだよね。






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