ワタシの事情 《 3B 》

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『いいよ、いっぱい聞いて』




いつも冷静な彼だけど、今ばかりはワントーン声の調子が上がってるように聴こえる。





「ふふ、そう言われると何聞けばいいのかわかんないよ」

『自分から聞いといて、それはないだろ笑』

「んー、だって何も知らなさすぎて、何を聞けばいいのかわかんないんだもん」



『じゃあ、俺から適当に、』

「はい」

『目黒蓮、B型、2月16日生まれ...』

「おぉ...」




しっかり自己紹介してくれる蓮に

相槌打つだけの私。





『そうだね、Aが気になりそうなこと...

　なんかある？』





私が蓮に気になってること、


別に大して何が、ってわけではないけど

自分は蓮に恋愛の話をしてるわけだから
蓮のことは気にならないわけじゃない。





「んー、蓮の、恋愛事情？」

『ふはっ』

「だめだった？」

『いや、しっかり聞いてくんなって』

「まあせっかくだし、」



『んー、そうだね、』

「彼女は、いるの？」

『いないよ』

「じゃあ、...好きな人は？」

『そうだなぁ...いないと言えば嘘になるかも』

「へぇ...蓮も好きな人とかいるんだね！」

『まあ、そりゃ人間だからね』





蓮に好きな人がいる、って聞いて



正直その相手さんが羨ましく感じた。



自分が蓮のことを好き、とかではもちろんないはずなんだけど、

この人といれば女性として扱ってくれて、紳士で優しくて、幸せなんだろうなって思うから。





「その人が、羨ましいな」

『ふは、どうしてだよ』

「蓮の好きな人になれるなんて、幸せ者じゃない？」

『俺にはわかんないよ』

「んー、少なからず私はそう思うよ。
　間違いなく、渡辺さんの女よりは蓮の女の方が100倍幸せ！」

『ふははっ！
　確かにそれはそうかも』





ここで渡辺さんと比べてしまう私は悪い人間なんだろうな、


なんて思うけど、蓮か渡辺さんなら間違いなく蓮がいいって思ってしまう。




ごめんね、偽の彼氏さん。






すると蓮は


『好きな人がどんな人か、聞かないの？』


なんて変なことを聞いて来た。





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